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深紅の夕焼けが、東京のビル群を血染めのように染めていた。綾乃（あやの）は、その光景を窓から眺めながら、冷えたコーヒーを一口飲んだ。警視庁捜査一課のエース、彼女は数々の難事件を解決してきたエリート捜査官だった。だが、今、彼女を悩ませているのは、単なる難事件ではなかった。

失踪事件だ。

被害者は全員、裕福な家庭の若者たち。共通点といえば、ごく普通の生活を送っていたということだけだった。警察上層部は、何らかのカルト集団の関与を疑っていたが、決定的な証拠は見つからない。綾乃は、捜査を進めるうちに、裏社会の巨大組織「黒獅子会」の影を察知した。黒獅子会は、その活動内容のほとんどが謎に包まれた、まさに影の存在だった。

上層部は、黒獅子会の規模と影響力から、単独捜査を厳しく禁じていた。しかし、綾乃は、事件の背後に潜む闇の深さを肌で感じていた。単独行動の危険性を承知の上で、彼女は秘密裏に捜査を続けた。

彼女の調査は、ある高級クラブへと繋がった。一見、普通の社交クラブだが、裏では違法薬物の取引が行われていた。そして、失踪した若者たちが、このクラブに関係している可能性が高いと綾乃は確信した。

しかし、綾乃の単独行動は、黒獅子会にバレてしまった。

ある夜、クラブから出てきた綾乃は、複数の男たちに囲まれた。彼らは、黒獅子会の構成員だった。抵抗もむなしく、綾乃は拉致され、郊外にある廃墟へと連れて行かれた。そこは、黒獅子会の秘密アジトだった。

アジトは、薄汚れた空気と、暴力的な空気が漂っていた。綾乃は、理不尽な暴行を受けた。言葉では言い表せないほどの屈辱と痛みを、彼女は味わった。そして、黒獅子会が扱っていた違法薬物が、綾乃の体にも投与された。

最初は激しい拒絶反応を示した綾乃だったが、薬物の効果は想像をはるかに超えるものだった。彼女の体は、みるみるうちに麻痺していった。意識は朦朧としていくが、同時に、これまで経験したことのない快楽が、体中を駆け巡る。

それは、まるで地獄絵図のような快楽だった。

綾乃の肉体は、黒獅子会の手によって、完全に支配された。彼女は、快楽の虜になっていった。最初は抵抗していた意識も、次第に麻痺し、薬物と暴力の快楽に溺れていく。

彼女は、自分の意思で行動できなくなっていた。黒獅子会が望むままに、体を使われ、快楽を味わわされ、屈辱を味わわされた。捜査官としてのプライド、正義感、全てが、薬物と暴力という名の快楽の波に打ち砕かれた。

日々繰り返される凌辱と、それに伴う麻薬の投与。綾乃の体は、もはや彼女の意思とは無関係に快楽を求め、黒獅子会の支配下に完全に屈服するようになっていった。

それでも、彼女の心に、かすかな光が消えなかった。それは、いつか必ずこの地獄から抜け出し、黒獅子会を叩き潰すという、執念の炎だった。

ある日、アジトに新たな人物が連れてこられた。それは、綾乃が捜査していた失踪事件の被害者の一人だった。その若者は、綾乃を見て、わずかに瞳孔を震わせた。それは、まるで、助けを求めるような、かすかな希望の光だった。

その瞬間、綾乃の心に、何かが変わった。

快楽に溺れる自分自身への憎しみと、黒獅子会への復讐心。そして、失踪した若者たちを救わなければならないという使命感。それらが、彼女の心の奥底で、再び燃え上がり始めた。

彼女は、この地獄から脱出しなければならない。そして、黒獅子会を壊滅させなければならない。綾乃の闘いが、今、始まる。


彼女の脱出劇、そして黒獅子会壊滅への道は、まだ始まったばかりだった。彼女の身に起きた出来事、そしてこれから彼女が選ぶ道は、想像を絶するほどの困難と危険を伴うだろう。だが、彼女の瞳には、もはや絶望はなく、復讐の炎と、かすかな希望の光が宿っていた。  あの深紅の夕焼けのように、彼女の人生は、再び、血染めの道を歩むことになるのかもしれない。しかし、その先には、必ず、正義の光が待っていることを、彼女は信じていた。