【無料エロ動画】いかれたベイビー【アダルトAV】

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## キスと、あと、少しの勇気

エリ子は、26歳にして未だに恋の駆け引きが下手だった。彼氏の和美もまた、26歳にして感情表現が苦手な男だった。二人の関係は、まるで絶妙なバランスで成り立っている不安定なピラミッドのようだった。一見、仲良さそうに見える。でも、その脆さは、ちょっとした風にも吹き飛ばされかねない。

エリ子と和美は、大学時代のサークルで出会った。和美はクールで、少しミステリアス。そんな彼に惹かれたエリ子は、猛アタックの末、彼を射止めた。付き合って5年。最初の頃は、和美の言葉少なな愛情表現に、エリ子はときめきを感じていた。彼のさりげない気遣い、照れくさそうにくれるプレゼント、静かな夜の隣り合わせ。それだけで、エリ子の心は満たされていた。

しかし、5年の歳月が、二人の関係に微妙な変化をもたらした。和美の愛情表現は、年々減っていくように感じた。誕生日プレゼントも、最近は適当な雑貨ばかり。デートも、以前のように積極的に誘ってくれなくなった。エリ子は、自分の心が、少しずつ空っぽになっていくのを感じていた。

そして、運命の日は、エリ子の26歳の誕生日だった。和美は、いつもより少し張り切って、レストランを予約してくれた。久しぶりのちゃんとしたデートに、エリ子の心は少しだけ浮き立った。しかし、その浮き足立ちも、すぐに打ち砕かれることになる。

レストランを出た後、和美は「ちょっとトイレ」と言い残し、一人で消えた。エリ子は、入口近くのベンチで待っていた。すると、数分後、和美が戻ってきた。しかし、彼の隣には、見知らぬ女性がいた。その女性は、和美に腕を絡ませ、彼の唇にキスをしていた。

その瞬間、エリ子の頭の中は真っ白になった。怒り、悲しみ、そして何よりも、自分が長年抱えていた不安が、一気に爆発した。五年もの間、和美の愛情表現の少なさに悩んでいたエリ子にとって、この光景は、自分に対する否定のように感じられた。

「…何？」と、エリ子は震える声で尋ねた。和美は、慌てて女性を離し、言葉に詰まった。女性は、慌てた様子で逃げるように去っていった。

「説明しろ」エリ子の声は、もはや怒りに染まっていた。

和美は、何も言えずに黙っていた。エリ子は、怒りよりも、虚しさで胸が締め付けられる思いだった。長い沈黙のあと、エリ子は、思いもよらない言葉を口にした。

「私も、浮気する」

そう言って、エリ子は、和美を残し、その場を去った。

その後、エリ子は、友人のアパートに転がり込んだ。冷静になった彼女は、自分の行動に少し後悔していた。しかし、あの時の怒りや悲しみは、容易に消えるものではなかった。和美に電話もメールもしなかった。

数日後、和美から一本の電話がかかってきた。「話したい」と、和美は静かに言った。エリ子は、ためらいながらも、会うことに同意した。

カフェで再会した二人。和美は、謝罪から始めた。「本当にゴメン。あの女性は…大学の同級生で、久しぶりに会って…酔っていたんだ。言い訳にはならないけど…」

エリ子は、和美の言葉を静かに聞いていた。そして、自分の気持ちを吐き出した。「私、あなたの愛情表現が少なくて、ずっと不安だった。寂しかった。でも、素直に言えなかった。あなたも、きっと私と同じように、素直になれなかったんだよね？」

和美は、うなずいた。「俺も、君の気持ちをちゃんと理解してなかった。伝え方が下手だった…」。

二人は、初めてお互いの気持ちを真正面から語り合った。誤解と、素直になれない気持ち、そして、お互いを深く愛しているという事実。それは、五年の歳月をかけて、ゆっくりと育まれたものだった。

あのキスは、二人の関係にとって、一つの転換点になった。それは、悲しい出来事だったけれど、同時に、二人の愛を確かめ合う機会でもあった。

それから、二人は少しずつ変わっていった。和美は、エリ子に愛情表現をするようになった。小さなことでも、感謝の気持ちを伝えるようになった。エリ子も、和美の気持ちを察して、自分の気持ちを素直に伝えることを意識するようになった。

完璧ではないけれど、二人は、より深くお互いを理解し、支え合う関係を築き始めた。ピラミッドは、脆いながらも、二人の努力によって、より安定したものへと進化し始めていたのだ。  あの日のキスは、二人の愛を壊すどころか、逆に、より強い絆を育むきっかけとなったのだった。 そして、エリ子は、少しだけ、恋の駆け引きが上手くなった気がしていた。そして、和美もまた、少しだけ、感情表現が上手くなった気がしていた。二人のラブコメディは、まだまだ、続くのだった。