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## 隙間風と昭和の熱風

「はぁ〜、今日も暑いな…」

涼子さんは、リビングの窓から差し込む西日をぼんやりと眺めていた。平成元年生まれ。今年で33歳。夫とは結婚して7年。子供はいない。共働きで、週末はどちらかが疲れて寝ているか、惰性でテレビを見ているか。そんな日々に、ほんの少しの隙間風が吹いているのを感じていた。

「ちょっと、外の空気吸ってくるわ」

夫はパソコンから目を離さずに「うん」とだけ返事をした。涼子さんは、いつものように軽くカーディガンを羽織り、玄関へ向かう。近所の公園は、子供たちの元気な声と、夕涼みを兼ねた近所の人たちの穏やかな話し声で満ちていた。

涼子さんがベンチに腰を下ろし、ぼんやりと空を見上げていると、不意に背後から声がかかった。

「お姉さん、一人でどうしたんですか？ もしかして、なんか悩み事でも？」

振り返ると、そこには人懐っこい笑顔の男性が立っていた。Tシャツにジーンズというラフな格好。年齢は涼子さんと同年代くらいだろうか。どことなく、ゆったりとした、肩の力の抜けた雰囲気が漂っていた。

「え、いえ、別に何も…」

涼子さんは少し戸惑いながらも、その男性の屈託のない笑顔に、ほんの少しだけ警戒心を解いた。

「そっか。でも、なんかちょっと元気なさそうに見えたからさ。俺、こういうの、得意なんだよね。人の悩み聞いたり、元気づけたり」

男性はそう言って、涼子さんの隣に腰を下ろした。そのまま、世間話が始まった。出身地、趣味、仕事のこと。男性は、涼子さんの話を興味深そうに聞き、時折、相槌を打ったり、共感を示したりした。涼子さんは、普段夫には話さないような、些細な不満や、漠然とした不安を、ぽつりぽつりと口にしていた。

「へぇ、そっか。奥さん、そういう風に感じてるんだ。でもさ、旦那さんも悪気はないんだろうけど、ちょっと不器用なんだろうね」

男性は、涼子さんの言葉に寄り添うように言った。その言葉は、不思議と涼子さんの心にすっと染み込んだ。

「…そう、かもしれません」

「人間ってさ、いくら夫婦でも、ずーっと一緒にいると、お互いのこと、当たり前になっちゃうんだよね。でも、本当は、お互いがお互いにとって、特別な存在であるはずなんだ。そう思わない？」

男性は、涼子さんの目を見つめて言った。その瞳は、まっすぐで、そしてどこか情熱的だった。涼子さんは、その視線に、今まで感じたことのないような、ドキドキする感覚を覚えた。

「…はい」

「俺はさ、平成生まれって、ゆとり世代とか言われるけど、決してそうじゃないと思うんだ。むしろ、昔の世代にはない、柔軟な考え方とか、繊細な感性を持ってると思う。それに、肌の艶とかも、全然負けてないしね」

男性は、涼子さんの頬に目をやりながら、冗談めかして言った。涼子さんは、思わず吹き出した。

「もう、変なこと言わないでくださいよ」

「いやいや、本当のことだよ。だって、お姉さんの肌、すっごく綺麗だもん。なんか、こう、隙間風が吹いてるって言ったら失礼かな？ でも、そういう隙間から、なんかこう、温かい風が入ってくるような、そんな感じ」

男性の言葉は、お世辞にしてはあまりにも具体的で、そして、涼子さんが自分でも無意識に感じていたことを、そのまま言葉にしてくれたようだった。

「…温かい風、ですか」

「そう、温かい風。俺はさ、そういう、ちょっとした隙間風を感じる奥さんとか、結構好きでね。なんか、そういうところに、まだまだ色々な可能性があるんじゃないかって思うんだ」

男性は、さらに一歩踏み込んだ言葉を続けた。涼子さんの心臓は、早鐘を打っていた。夫の顔が、一瞬脳裏をよぎったが、すぐにその記憶は掻き消された。目の前の男性の、熱っぽい視線が、涼子さんの全てを包み込んでいるかのようだった。

「俺、昭和生まれなんだけどさ、昔の世代って、結構、こう、ど根性っていうか、情熱的だったんだよね。でも、今の時代って、そういう熱いものが、ちょっと失われちゃってる気がして。だから、俺は、まだまだ人生半ばの、元気な平成の女性に、そういう熱いものを、もう一度教えてあげたいなって思うんだ」

男性は、涼子さんの手元にそっと手を伸ばした。その手は、驚くほど温かかった。

「お姉さんの、その、まだ満たされていない部分っていうか、そういうところに、俺の昭和の熱いものを、ぎゅっとねじ込んで、思いっきり、性の悦びを徹底教育してあげたいんだ。どうかな？」

涼子さんは、その大胆で、そしてどこか荒々しい言葉に、息を呑んだ。それは、涼子さんの奥底に眠っていた、抑えきれない衝動を、一瞬にして呼び覚ますような響きを持っていた。

「…私、そういうの、初めてで…」

涼子さんの声は、震えていた。

「大丈夫、大丈夫。俺が、優しく、でも、しっかり、教えてあげるから。お姉さんも、きっと、気持ちいいって思えるはずだよ。俺の、この、ど根性チンポで、お姉さんを、もっともっと、悦びで満たしてあげるから」

男性は、涼子さんの手を取ると、そのまま公園の茂みの奥へと、涼子さんの意思とは関係なく、しかし、涼子さんも拒むことのできない力で、導いていった。

木々の葉がざわめき、西日が斜めに差し込む中、涼子さんの耳元で、男性の熱っぽい囁きが響き渡った。それは、長年、静かに閉ざされていた、涼子さんの心と体への、熱風の始まりだった。

（この後、具体的な性描写は避けますが、小説の展開としては、涼子さんが男性に導かれるまま、公園の茂みで関係を持つことになり、その経験を通して、それまで感じたことのないような性的な悦びを知り、自身の内面に変化が起こる、といった方向に進むと想定されます。涼子さんの「隙間」に、男性の「昭和の熱風」が吹き込まれ、新たな悦びや自己発見へと繋がっていく様子が描かれるでしょう。）