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## 禁断の果実

東雲（しののめ）の空が、灰色の帳をそっと開け始めた頃、俺はベッドの上でスマホを握りしめていた。昨夜もまた、指先が画面上を滑り、無数の顔写真とプロフィールに目を走らせた。出会い系アプリ。それは、俺のような平凡な男にとって、現実世界では決して掴むことのできない夢への片道切符のようなものだった。

「今日もダメか…」

ため息をついたその時、画面に現れたのは、まるで絵本から抜け出してきたかのような少女だった。ふわふわの茶髪、大きな瞳、そして何よりも、その純粋無垢な微笑み。プロフィールには「〇〇（地名）在住、20歳、趣味は読書とカフェ巡り」とだけ書かれている。画像加工アプリの恩恵だろうか？それとも、奇跡的にこんな天使がこの世に存在するのだろうか？

胸が高鳴る。いや、もっと正確に言えば、下腹部が疼いた。期待と興奮で、股間はむず痒いほどの熱を帯びていた。この数週間、ろくな出会いがなかった俺にとって、この「奇跡の天使」とのマッチングは、まさに救いの手だった。

「いいね」を送り、数分後、画面に「マッチングしました！」の文字が躍った。心臓が早鐘のように打つ。すぐにメッセージを送った。「はじめまして。写真、すごく可愛くて思わずいいねしちゃいました。」

返信はすぐに来た。「ありがとうございます！〇〇さんも、素敵な笑顔ですね。」

やり取りは弾んだ。彼女は、想像以上に会話が上手く、そして何よりも、俺の拙い冗談にも笑ってくれる。その声までもが、写真のイメージとぴったり重なり、俺の妄想をさらに掻き立てた。

「今度、どこかで会えませんか？」

勇気を出して誘ってみた。まさか、こんなに早く返信が来るとは思っていなかった。「いいですね！どこか、おすすめのカフェとかありますか？」

電話番号を交換し、具体的な約束を取り付けた。場所は、彼女の家の近くにあるという、評判のカフェ。週末の午後。俺は、これまでで一番気合を入れた服装を選び、鏡の前で何度も顔をチェックした。昨夜はほとんど眠れなかった。期待で眠れない夜なんて、いつぶりだろうか。

約束の日。カフェに到着すると、すでに彼女は窓際の席に座っていた。写真で見た、あの天使のような笑顔。いや、写真で見るよりも、ずっと、ずっと可愛い。透き通るような白い肌、くりっとした瞳、そして、少女漫画から飛び出してきたような細い指先。彼女の周りだけ、空気がキラキラしているように見えた。

「あの、〇〇さん、ですよね？」

俺の声は、少し震えていた。彼女は、困ったように、でも嬉しそうに頷いた。

「はい！〇〇です。〇〇さん、想像以上に素敵ですね。」

その言葉に、俺の股間はさらに熱を帯びた。俺も負けじと褒め返した。「〇〇さんも、写真で見るよりずっと、ずっと綺麗です。まるで、妖精みたい。」

彼女は、恥ずかしそうに俯いた。その仕草さえも、俺の心を鷲掴みにする。カフェでの会話は、まるで夢のようだった。互いの趣味の話、仕事の話、そして、些細な日常の出来事。彼女は、素直に自分の気持ちを伝え、俺の話にも真剣に耳を傾けてくれた。

「私、こういうアプリ、初めてなんです。でも、〇〇さんとなら、安心して会えるかなって思って。」

その言葉に、俺は胸が熱くなった。彼女は、俺のことを信頼してくれている。そして、彼女自身も、この出会いを真剣に考えてくれている。

カフェを出た後、俺はいてもたってもいられず、もう一度誘った。「この後、まだ時間ありますか？もしよかったら、もう少しゆっくり話しませんか？」

彼女は、一瞬迷ったような顔をしたが、すぐに「はい！」と笑顔で答えた。そして、こう付け加えた。「私の家、この近くなんですが、もしよかったら…。」

その言葉を聞いた瞬間、俺の頭の中は真っ白になった。興奮で、血が逆流するような感覚。俺は、彼女の家へと向かいながら、これから起こるであろう出来事を想像し、下半身の疼きを抑えきれなかった。

彼女の家は、清潔で、可愛らしいインテリアで統一されていた。まるで、彼女の性格を表しているかのようだった。リビングに通され、向かい合って座る。緊張で、うまく言葉が出てこない。

「あの…〇〇さん、何か飲むもの、いりますか？」

彼女がそう言って立ち上がった時、俺は、いてもたってもいられず、彼女の手を掴んだ。

「〇〇さん…」

俺の声は、掠れていた。彼女は、驚いた顔をしたが、すぐに俺の瞳を見つめ返した。その瞳には、拒絶の色はなかった。むしろ、期待の色が…いや、それ以上の、欲望の色が宿っているように見えた。

「私…〇〇さんのこと、もっと知りたいです。」

彼女の囁きは、俺の心をさらに掻き立てた。俺は、彼女の顔に手を伸ばし、ゆっくりと顔を近づけた。彼女は、目を閉じる。そして、唇が触れ合った。

その瞬間、俺の理性は完全に吹っ飛んだ。彼女の唇は、写真で見るよりも柔らかく、甘かった。俺は、彼女を抱きしめ、そのままソファに倒れ込んだ。

「〇〇さん…」

彼女の声が、俺の耳元で喘ぎに変わる。彼女は、想像以上に大胆だった。俺の服を、まるで魔法のように脱がせていく。そして、俺の肌に触れる彼女の指先は、熱かった。

彼女の体は、驚くほど滑らかだった。まるで、磨き上げられた絹のよう。透き通るような肌の下で、脈打つ生命力を感じた。写真で見るよりも、ずっと、ずっと綺麗で、そして、誘惑的だった。

「ねぇ、〇〇さん。」

彼女が、悪戯っぽい笑顔で俺を見上げた。その瞳には、純粋さだけではない、強烈な欲求が宿っていた。

「 condom、いる？」

その言葉に、俺は一瞬戸惑った。しかし、彼女の瞳に宿る、挑発的な輝きに、俺の理性は完全に吹き飛んだ。むしろ、その方が、俺の欲望をさらに掻き立てる。

「いらない。」

俺は、低く唸るように答えた。彼女は、満足そうに微笑むと、俺の手に自分の体を預けてきた。

それは、まるで禁断の果実を味わうような、背徳的な衝動だった。彼女の喘ぎ声は、俺の鼓膜を震わせ、全身を駆け巡った。彼女の体は、俺の熱に呼応するように、さらに熱を帯びていく。

俺は、彼女の柔らかな肌を撫で、その全てを貪るように愛した。彼女は、俺の荒々しい愛撫に、快楽の声を上げた。その声は、俺の理性をさらに麻痺させ、俺を深い欲望の海へと引きずり込んだ。

そして、一度だけでなく、二度、三度と、俺たちは愛を重ねた。その度に、彼女の喘ぎ声は大きくなり、俺の欲望はさらに燃え上がった。彼女の体から溢れ出す、甘く、濃厚な蜜。それは、俺の全てを満たしていく。

彼女は、まるで、この瞬間のために生まれてきたかのようだった。その奔放な愛撫は、俺の想像を遥かに超えていた。純粋な外見とは裏腹に、彼女は、俺が求めていた全てを持っていた。

全ての欲求が満たされた後、俺は、彼女の温かい体に抱きついたまま、深い眠りに落ちていった。目覚めた時、彼女は、俺の隣で、静かに眠っていた。その寝顔は、まるで天使のようだった。

昨夜の出来事は、夢だったのだろうか？いや、肌に残る温もりと、体中に残る心地よい倦怠感が、それが現実であることを静かに物語っていた。

彼女は、俺が望む全てを、惜しげもなく与えてくれた。それは、俺にとって、まさに奇跡だった。出会い系アプリで、こんなにも完璧な出会いがあるなんて、誰が想像できただろうか。

窓の外は、もう昼の光に満ちていた。俺は、彼女の寝顔を見つめながら、これから始まるであろう、彼女との、そして俺自身の、新しい物語に胸を躍らせていた。それは、禁断の果実を口にした、甘く、そして危険な、始まりだった。