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## 10年目の初恋

「10年…か」

灰色の空の下、俺、健一は、古いアパートの窓からぼんやりと街を眺めていた。手元にあるのは、色褪せたDVDのケース。10年間、俺が「野外戦士」として生きてきた証。それは、文字通り、街頭で、公園で、雑踏の中で、女性に声をかけ、その欲望を満たしてきた、ある意味、狂気とも呼べる日々の記録だった。

「ナンパされたエッチな素人女性たち」シリーズ。最初は、ただの好奇心だった。平凡な日常に飽き、何か刺激を求めていた俺は、偶然、動画サイトでその存在を知った。そして、自分も「野外戦士」になれるのではないか、という淡い期待を抱いた。

最初の頃は、惨憺たるものだった。女性に声をかけることすらおぼつかず、冷たくあしらわれることもしばしば。それでも、諦めなかった。何度も、何度も、失敗を繰り返しながら、少しずつ、女性の心に響く言葉を見つけ出していった。

そして、10年。今では、俺は「野外戦士」として、それなりの実績を積んでいた。特に、この「鉄板の人妻編」は、俺の得意分野だった。夫の不在をいいことに、日常に退屈し、満たされない欲望を抱えた人妻たち。彼女たちの秘められた情熱を、俺は引き出すことができた。

今夜も、俺はいつものように、夜の街へと繰り出す準備をしていた。向かうのは、人通りの少ない公園。ここで、俺は「獲物」を探す。

 joggers、犬の散歩をする人、ベンチで休む老人。その中に、俺の「獲物」はきっといる。

ふと、ベンチに座っている女性が目に入った。薄暗い照明の下、彼女は虚ろな表情で、遠くを見つめている。その姿に、俺は何か惹きつけるものを感じた。

「こんばんは」

俺は、彼女に近づき、声をかけた。彼女は、ゆっくりと顔を上げ、俺を見た。その瞳には、深い孤独と、かすかな希望が宿っていた。

「あの…どうかされましたか？」

俺の言葉に、彼女は小さく微笑んだ。

「いえ、別に…」

だが、その声には、悲しみが滲んでいた。俺は、彼女の隣に腰を下ろした。

「もし、よろしければ、お話を聞かせていただけませんか？」

彼女は、しばらく沈黙した後、ぽつりぽつりと語り始めた。夫のこと、仕事のこと、そして、満たされない日々のこと。俺は、ただ黙って、彼女の話を聞いていた。

彼女の名前は、由紀。30代半ば。夫は、仕事ばかりで、家庭を顧みない。彼女は、孤独を感じ、自分自身を失いかけていた。

「私、もう、どうしたらいいのか分からないんです…」

由紀の目から、涙が溢れ出した。俺は、そっと彼女の肩に手を置いた。

「大丈夫ですよ。あなたは、一人じゃありません」

俺の言葉に、由紀は顔を上げた。その瞳に、迷いと、そして、わずかな光が灯った。

「私と、一緒に、新しい世界を見つけませんか？」

俺の誘いに、由紀は戸惑った表情を見せた。だが、その瞳の奥には、抗いがたい衝動が燃え始めていた。

その夜、俺たちは、公園の片隅で、互いの温もりを確かめ合った。由紀の吐息は甘く、その身体は熱く、俺を求めていた。俺は、彼女の秘められた欲望を、優しく、そして大胆に解き放ってやった。

雨上がりの夜空の下、俺たちは、互いに初めての「素人」との出会いを果たした。それは、10年間の「野外戦士」としての俺のキャリアの中でも、特別な一夜となった。

数日後、由紀から連絡があった。彼女は、俺との出会いをきっかけに、人生を変える決意をしたという。夫との関係を清算し、新しい人生を歩むことを決めたのだ。

「健一さん、本当にありがとう。あなたのおかげで、私はもう一度、自分自身を見つけることができました」

由紀の声は、以前よりもずっと明るかった。俺は、彼女の幸せを心から願った。

10年間の「野外戦士」としての俺の戦いは、まだ続く。しかし、あの夜の由紀との出会いは、俺の心に、新たな光を灯してくれた。それは、単なる欲望の充足ではなく、人生の再生、そして、10年ぶりの「初恋」のような、温かい感情だった。

「野外戦士」健一、11年目の初恋は、こうして始まった。