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## 禁断の果実

リビングに響くテレビの音だけが、静寂をかろうじて保っていた。ソファに深く腰掛けた彰人は、手元のスマホを弄びながらも、上の空だった。隣に座る妻、美咲の存在が、意識を否応なく引き寄せる。

結婚してまだ一年。美咲は、まるで熟れた果実のように、魅力を増していた。豊満な胸、滑らかな曲線を描く腰、そして、何かを訴えかけるような潤んだ瞳。彰人は、彼女を前にすると、平静を保つのが難しかった。

特に最近、美咲は積極的に彰人を誘うようになった。まるで、隠されたスイッチが入ったかのように。しかし、彼女の誘いは、いつも中途半端で終わる。寸止め。焦らされる快感と、それを遥かに上回る欲求不満。それが、最近の彰人の日常だった。

「ねえ、彰人」

美咲が甘えるような声で話しかけてきた。彰人はスマホから顔を上げ、彼女を見つめる。美咲は、その視線に気づくと、いたずらっぽく微笑んだ。

「今日、早く帰ってきたんだから、何かしてくれるんでしょ？」

その言葉と同時に、美咲は彰人の腕に自分の胸を押し付けた。柔らかい感触が、ダイレクトに伝わってくる。彰人の心臓は、激しく鼓動を始めた。

「み、美咲…」

「ふふ、どうしたの？顔が真っ赤だよ」

美咲はさらに追い打ちをかけるように、彰人の耳元で囁いた。「今日は、特別に、もっとイジワルしちゃうかも」

その言葉を聞いた瞬間、彰人の理性は吹き飛んだ。彼は美咲を抱き寄せ、唇を奪った。激しく、そして甘いキス。二人の間には、熱いものが渦巻いていた。

キスを終え、息を切らす彰人に、美咲は妖艶な笑みを浮かべた。「今日は、私が主導権を握るからね」

その言葉通り、美咲は彰人をベッドへと誘い、ゆっくりと服を脱がせていった。彼女の指が肌に触れるたびに、彰人の体は熱を帯びていく。

美咲は、彰人の様子をじっくりと観察していた。彼の呼吸が荒くなり、瞳が潤んでいく。その反応を見るのが、彼女はたまらなく好きだった。

「焦らないでね。ゆっくり、じっくり、味わい尽くしてあげるから」

美咲はそう言いながら、彰人の首筋にキスを落とした。そして、ゆっくりと下へと降りていく。その度に、彰人は声を押し殺して喘いだ。

やがて、美咲の手が、彰人の最も敏感な場所に触れた。彼は、全身を震わせた。

「ああ…美咲…」

「まだダメだよ」

美咲はいたずらっぽく笑いながら、手を止めた。そして、再びゆっくりと、愛撫を始めた。

この繰り返しが、何度も続いた。快楽の絶頂に達しかけたと思えば、美咲は手を止め、また最初から始める。彰人は、その度に理性を失いかけ、快感と焦燥感の狭間で苦悶した。

「お願い…もう…」

彰人は懇願するように言った。しかし、美咲は首を横に振った。

「まだダメ。今日は、私が満足するまで、お預け」

そして、彼女は再び、彰人を翻弄し始めた。

時間が経つにつれ、彰人は疲労の色を見せ始めた。しかし、美咲は全く疲れを知らないかのように、彼を挑発し続けた。

「どうしたの？もう終わり？」

美咲は、わざとらしく肩をすくめて見せた。その挑発的な態度に、彰人は再び火がついた。

「まだ…終わらない…」

彼は、最後の力を振り絞って、美咲に応えようとした。

そして、ついにその時が来た。

美咲が、彰人の動きに合わせて、腰を揺らし始めた。二人の呼吸は乱れ、激しい喘ぎ声が部屋に響き渡った。

「ああ…ああ…」

彰人は、ついに限界に達した。彼は、美咲を強く抱きしめ、激しく腰を揺らした。

そして、その瞬間が訪れた。

「ああああああ！！」

彰人は、全身を痙攣させながら、絶頂を迎えた。

美咲は、その様子を満足そうに見つめていた。

しばらくして、落ち着きを取り戻した彰人は、美咲に抱きつき、感謝の言葉を囁いた。

「ありがとう…美咲…」

美咲は、優しく微笑んだ。

「どういたしまして。でも、これで終わりじゃないよ」

その言葉に、彰人は戸惑った。「え…？」

美咲は、いたずらっぽく笑った。「だって、まだ私の番が残ってるじゃない」

そして、再び彼女は、彰人を誘惑し始めた。

その夜、彰人は、何度も何度も、美咲によって翻弄され、快感と焦燥感の波に飲み込まれた。しかし、彼は、その苦しみの中に、今まで味わったことのない快楽を見出した。

翌朝、彰人は、疲労困憊していた。しかし、彼の顔は、どこか満足げだった。

彼は、美咲に感謝した。彼女は、彼に禁断の果実を味わわせてくれた。そして、彼は、その味を忘れられなくなるだろう。

美咲は、朝食を作りながら、彰人に微笑みかけた。「どうだった？昨夜は、楽しかった？」

彰人は、照れ臭そうに頷いた。「ああ…最高だったよ」

美咲は、いたずらっぽく笑った。「ふふ、また今夜も、楽しもうね」

その言葉に、彰人は覚悟を決めた。今夜もまた、彼女のイジワルな誘惑に身を委ねるのだ。そして、彼は、その快楽と苦しみを、心ゆくまで味わうだろう。

なぜなら、彼はもう、禁断の果実の味を知ってしまったからだ。そして、彼は、それを手放すことができない。