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## 暁色に染まる誓い

桜並木が街を彩る季節、結婚して三年になる健一と真弓は、穏やかながらも満ち足りた日々を送っていた。真弓は、その名の通り、真心を尽くす女性であり、健一にとって何よりも大切な存在だった。健一は、彼女の純粋さと健気さを誰よりも愛していた。しかし、健一の心には、誰にも打ち明けられない、ある特殊な願望があった。それは、愛する妻が、自分以外の男に抱かれる姿を想像する「寝盗られ願望」だった。

「真弓、今日の夕飯は何がいい？」
健一は、ソファに座りながら、キッチンで忙しく立ち働く真弓に声をかけた。真弓は、頬をほんのり紅く染め、笑顔で振り返った。
「健一さんの好きなハンバーグにしようと思って。サラダもたっぷりとね。」
その言葉に、健一の胸は温かいもので満たされた。だが、同時に、その健気な妻が、自分以外の男に身を委ねる姿を想像する、悪魔のような衝動が頭をよぎる。それは、まるで暗闇から忍び寄る影のように、健一の心を蝕んでいく。

この願望は、健一がインターネットで偶然見つけた、ある動画サイトから始まった。そこには、結婚生活を送る夫婦が、互いの同意のもと、見知らぬ相手との関係を記録した映像が流れていた。最初は、好奇心から見始めただけだった。しかし、画面に映し出される、普段は愛情深い妻が、恍惚とした表情で別の男に抱かれる姿に、健一は奇妙な興奮を覚えた。それは、禁断の果実を口にするような、背徳感と歓喜が入り混じった感情だった。

「真弓…」
健一は、衝動的に妻の名前を呼んだ。真弓は、首を傾げながら健一の方を向いた。
「どうしたの？顔色が優れないみたいだけど。」
真弓は、心配そうに健一の顔を覗き込んだ。その純粋な瞳に、健一は胸が締め付けられる思いだった。このままではいけない。この願望を、真弓に打ち明けるべきなのか？それとも、このまま胸に秘めて、静かに苦しむべきなのか？

ある日、健一は、以前から気になっていた「NTRドキュメンタリー」というジャンルの映像を、真弓のいない間にこっそりと見ていた。そこには、まるで本物のドキュメンタリーのように、夫婦の日常と、妻が他の男性との関係を持つ様が赤裸々に記録されていた。驚いたのは、そこに登場する妻たちのほとんどが、自らの意志で、そして何よりも「夫のため」という理由で、その行為に及んでいたことだった。

「愛する夫のために、他の男に抱かれる…」
健一は、その言葉の響きに、さらに強く惹きつけられた。それは、単なる性的な欲望を超えた、夫婦の絆や愛情の形なのかもしれない。真弓は、自分を深く愛してくれている。だからこそ、もし自分がそんな願望を抱いていると知ったら、夫のために、その願望を叶えようとしてくれるのではないか。そんな考えが、健一の頭の中で渦巻き始めた。

その夜、健一は決意を固めた。真弓に、自分の願望を打ち明けることを。

「真弓、話したいことがあるんだ。」
健一は、真弓の手を握りながら、真剣な表情で言った。真弓は、いつもと変わらない優しい笑顔で、健一の言葉を待った。
「僕には、君に言っておかなければならないことがある。それは…」
健一は、言葉を選びながら、自分の願望を訥々と語った。真弓は、健一の言葉を静かに聞いていた。その表情は、驚きとも、困惑とも、そして何かを決意したかのような、複雑な色を帯びていた。

「…健一さんの、そんな願望があるなんて、知らなかった…。」
真弓は、小さな声で呟いた。健一は、真弓の反応に、不安と期待が入り混じった感情を抱いていた。
「でも、健一さんが、そんな風に悩んでいるなら…」
真弓は、健一の目を見つめ、力強く続けた。
「私、健一さんのために、できることがあるなら、したい。」

その言葉は、健一の心を震わせた。真弓は、健一が想像していた以上に、健気で、そして深い愛情を持った女性だった。

数日後、健一は、妻に内緒で、あるサイトに登録した。それは、自身の願望を共有し、現実の体験へと繋げるための、特殊なコミュニティだった。そこで健一は、同じような願望を持つ夫たちや、その妻たちの体験談に触れた。そして、ある日、真弓の意思を尊重し、慎重に計画を進めた結果、二人の関係は、新たな、そして極めてデリケートな領域へと足を踏み入れることになった。

その日、真弓は、健一の指定した、少し離れた場所にあるホテルの部屋にいた。健一は、部屋の外で、心臓が激しく高鳴るのを感じていた。何度か深呼吸を繰り返し、覚悟を決めて、部屋のドアを開けた。

部屋の中には、真弓と、そしてもう一人の男がいた。男は、真弓に優しく微笑みかけていた。真弓の顔には、健一がいつも見ている、あの優しく穏やかな表情の他に、ほんの少しの緊張と、そして健一への深い愛情が混じり合っているように見えた。

「健一さん、いらっしゃい。」
真弓は、健一に気づくと、優しく声をかけた。その声には、微かな震えがあった。男も、健一に軽く会釈をした。

健一は、その光景に、言葉を失った。想像していた以上に、それは強烈な体験だった。愛する妻が、自分以外の男に抱かれる。その現実は、健一の心を掻き乱し、同時に、かつてないほどの興奮をもたらした。

「真弓…」
健一は、妻の名前を呼んだ。真弓は、男からそっと離れ、健一の方に歩み寄ってきた。
「大丈夫、健一さん。私、ちゃんと、健一さんのこと、愛してるから。」
真弓は、健一の頬にそっと手を添え、微笑んだ。その笑顔は、健一が知っている、あの健気で純粋な笑顔だった。

その日、健一は、真弓が自分以外の男に抱かれる姿を、間近で見た。それは、健一が抱いていた「寝盗られ願望」の、まさに「本物」の体験だった。画面越しに見ていた映像とは全く違う、生々しく、そして感情的な、現実だった。

健一は、その体験を通して、妻の愛情の深さと、そして自分自身の複雑な感情の源泉を、改めて理解した。それは、単なる性的欲望を満たす行為ではなく、夫婦の絆を試され、そしてより一層深めるための、ある種の儀式だったのかもしれない。

ホテルを出た後、二人は静かに歩いた。夜風が、頬を撫でていく。
「健一さん、ごめんね。私、ちゃんと、健一さんのこと、愛してるから。」
真弓は、もう一度、健一にそう言った。健一は、真弓の手を強く握り返した。
「ありがとう、真弓。君が、僕のために、そこまでしてくれて…。」
健一の声は、感極まって震えていた。

この体験は、二人の関係に、新たな側面をもたらした。それは、決して容易な道ではなかった。しかし、健一は、真弓の健気さと、そして何よりも自分への深い愛情に支えられ、この特殊な願望と向き合い続けることを決意した。

桜並木に、月明かりが差し込む。暁色に染まる空を見上げながら、健一は、真弓の温かい手を握りしめていた。それは、二人の間に交わされた、秘密の誓いのようなものだった。美麗で健気な妻と、本物の寝盗られ願望を持つ夫。彼らの物語は、まだ始まったばかりだった。