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## 禁断の楽園、再び

「え、マジで？ もう一回？」

朝の光が部屋を照らし、まだ眠気の残る目をこすりながら、俺、健太は隣で寝息を立てる彼女、沙織に話しかけた。彼女は「んー…」と小さく唸り、俺の肩に顔を埋めてきた。

「沙織、聞いてる？ あの…前回、ちょっと、色々あってさ。でも、今回、またチャンスだって…」

沙織はゆっくりと顔を上げ、眠そうな瞳で俺を見つめた。「あの…撮影のこと？」

俺たちは、付き合ってまだ3ヶ月。お互いに惹かれ合い、毎日が甘い蜜のような日々だった。そんな俺たちが、どうしてこんな話をしているかというと、それは数週間前の出来事に遡る。

「素人カップルをアダルト撮影現場にぶち込んでみた！」

その番組企画に、俺たちは軽い気持ちで応募した。まさか、本当に選ばれるなんて思ってもみなかった。そして、あの異常な状況。沙織の目の前で、俺は「絶対勃起してはいけない」という、とんでもないプレッシャーに晒された。相手は、プロの、しかも俺が密かに憧れていた女優さん。彼女の美しさ、艶やかさ、そして妖艶な魅力に、俺は平静を装うのが精一杯だった。結果？ まあ、想像通りというか、なんというか…。

「でも、健太、あの時、すごく…恥ずかしかったし、沙織にも申し訳なかったなって…」

沙織は少し俯き、指先をいじる。確かに、あの状況は異常だった。沙織の純粋な瞳が、俺の隠しきれない動揺を捉えていたのを覚えている。

「でもさ、沙織。あの経験、悪くなかっただろ？」

俺は沙織の頬に手を伸ばし、優しく撫でる。「あの女優さん、すごく綺麗だったし、沙織も、色々感じることがあったんじゃない？」

沙織は顔を上げ、俺の目をまっすぐに見つめる。その瞳には、前回とは違う、少しの好奇心と、そして…微かな期待のようなものが宿っているように見えた。

「…でも、また同じことになったら、どうするの？」

「大丈夫！ 今回は、もっと準備万端だから！」

俺は自信満々に答える。前回は、まさに「ぶち込まれた」という感じで、何も分からないまま始まった。でも、今回は違う。今回は、俺たちが「選んだ」道だ。それに、前回の反省を活かして、俺なりに「覚悟」はできていた。

「それに、沙織。今回も、俺たちのためになると思うんだ。」

「私たちのため…？」

「そう。だって、あの撮影で、俺、沙織のこと、もっともっと好きになったんだ。」

俺は沙織を抱きしめる。彼女の温もり、甘い香り。すべてが愛おしい。

「前回の時、俺、沙織の前で、あの女優さんに…でも、それは、沙織への愛情とは全く別の、生理現象みたいなものだったんだ。だから、沙織のことは、誰よりも愛してるって、改めて分かったんだよ。」

沙織は俺の胸に顔を埋め、「…ふふ」と笑った。

「健太、いつもそういうこと言うんだから。」

「でも、本当だろ？」

「うん、本当。」

沙織の笑顔を見て、俺は決心した。沙織と一緒なら、どんな困難も乗り越えられる。そして、この「禁断の楽園」とも言える撮影現場で、俺たちはさらに絆を深めることができるはずだ。

***

数日後、俺たちは再び、あの非日常的な世界に足を踏み入れていた。前回とは違い、今回は少しばかりの余裕があった。いや、余裕というよりも、覚悟を決めた、という方が正しいだろう。

「準備はいいですか？ 今回も、健太さんには『絶対勃起してはいけない』というミッションがあります。そして、沙織さんには…」

スタッフの言葉に、俺は沙織の顔を見る。沙織は、前回とは違い、少し緊張しながらも、どこか楽しんでいるようにも見えた。

「沙織は、健太がちゃんとできるか、見守っててくれるんだろ？」

「うん、ちゃんと見る。」

沙織は力強く頷く。その瞳には、不安よりも、俺への信頼が満ち溢れていた。

そして、今回俺の相手をしてくれるのは、前回とは全く違うタイプの女優さんだった。彼女は、クールで、どこかミステリアスな雰囲気を纏っていた。その瞳は、俺の心を射抜くような鋭さを持っていた。

「こんにちは、健太さん。今回は、前回よりも、もっと良いパフォーマンスを見せてくれることを期待していますよ。」

彼女の声は、冷たくも、どこか挑発的だった。俺は、彼女の言葉に、一瞬、身体が硬直するのを感じた。

「…はい。頑張ります。」

撮影が始まった。前回と同様、カメラが俺たちを捉える。そして、彼女の演技が始まる。前回よりも、さらに大胆で、俺の理性を揺さぶるような演技。彼女は、巧みに俺の感情を掻き立てる。

「…健太、大丈夫？」

モニター越しに、沙織の声が聞こえる。俺は、彼女の心配そうな声に、一瞬、動揺した。

「大丈夫だよ、沙織。心配しないで。」

俺は、必死に平静を装う。彼女の指先が、俺の肌に触れる。その瞬間、俺の体は、抗いがたい衝動に駆られる。

「…だめだ。これは、沙織のことだけを考えている。」

俺は、心の中で自分に言い聞かせる。彼女の演技は、あくまで演技。俺が愛しているのは、沙織だけだ。

「…健太、顔、赤いよ。」

沙織の声が、再び聞こえる。俺は、汗ばむ額を拭う。

「…これは、暑さのせいだよ。」

俺は、苦しい言い訳をする。彼女は、俺の言葉を信じてくれているだろうか？

撮影は続く。彼女の誘惑は、さらにエスカレートしていく。俺の理性は、もはや限界に近づいていた。

「…健太。」

彼女の声が、俺の耳元で囁かれる。その声には、甘く、そして切ない響きがあった。俺は、彼女の顔を見つめる。その瞳には、俺への熱い想いが、燃え盛っているように見えた。

「…これは、ダメだ。」

俺は、彼女の手を振り払う。

「…健太？ どうしたの？」

彼女は、戸惑った顔で俺を見つめる。

「…ごめん。俺、沙織のこと、誰よりも愛してるんだ。」

俺は、彼女にそう告げる。彼女は、俺の言葉に、何を思ったのだろうか。

撮影は中断された。スタッフは、俺の突然の行動に、困惑していた。

「…健太、大丈夫？」

沙織が、俺の元に駆け寄ってくる。

「沙織…ごめん。俺、やっぱり、沙織のことしか考えられない。」

俺は、沙織を強く抱きしめる。彼女の温もり、安心感。それが、俺にとって何よりも大切だった。

「…健太。ありがとう。」

沙織は、俺の胸に顔を埋め、静かに涙を流した。

「…健太、本当に、私だけを見てくれるんだね。」

「当たり前だろ？ 俺のすべては、沙織のためだから。」

俺は、沙織の髪を優しく撫でる。

「…でも、健太。あの女優さん、すごく綺麗だったね。」

沙織は、少し顔を上げて、俺にそう言った。

「…うん。綺麗だった。でも、沙織の方が、もっと綺麗だよ。」

俺は、沙織の頬にキスをする。彼女の瞳は、キラキラと輝いていた。

「…健太。私、健太のこと、もっと好きになった。」

「俺もだよ、沙織。」

俺たちは、互いの顔を見つめ合い、笑い合う。あの「禁断の楽園」での出来事は、俺たちにとって、決して忘れることのできない、特別な経験となった。それは、愛すること、そして愛されることの尊さを、改めて教えてくれたのだ。

「…あのさ、健太。」

沙織が、少しいたずらっぽく笑う。

「ん？」

「…次回、もしまた機会があったら…今度は、私、健太のこと、もっと応援しちゃうかも。」

俺は、沙織の言葉に、思わず吹き出した。

「…沙織。」

俺は、沙織をもう一度抱きしめる。これからも、俺たちの愛は、こんな風に、少しずつ、でも確実に、深まっていくのだろう。あの、刺激的で、そして甘い日々を、俺たちは二人で、これからも歩んでいく。