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サムネイル

商品ID bireijukujo-0302
タイトル 美麗熟女 あきえさん(仮)
紹介文 東京に行くと言って聞かない息子と離れたくない母は息子を強引に…
レーベル名 美麗熟女
メーカー名 美麗熟女
カテゴリ 近親相姦
出演者 あきえ
公開開始日 2024年08月21日

 

## 遠ざかる背中、絡まる糸

「東京に行くって、どういうことなの!」

母、和子は畳を叩くように拳を打ちつけた。その音に、息子、健一はびくりと肩を震わせた。テーブルの上には、大学のパンフレットが山と積まれている。その中でも、ひときわ鮮やかな青い表紙を指差しながら、和子の声は震えていた。

「だって、僕、東京の大学に行きたいんだ。この…」

健一は指先でパンフレットをなぞった。その視線は、母の怒りから逃れるように、宙をさまよっている。

「この、なんて言ってるのよ! ここは、あんたが生まれた場所で、お父さんが一生懸命守ってきた場所なのよ! あんたが、この家を出ていきたいなんて、どうしてそんなこと言うの!」

和子の言葉には、怒りだけではなかった。深い悲しみ、そして、抗いがたい不安が滲んでいた。健一が生まれてからずっと、この小さな町で、二人で暮らしてきた。夫を亡くしてからは、健一だけが、彼女の生きる支えだった。その健一が、自分から離れていく。その事実が、和子の心をかき乱した。

「母さん、でも…」

「でも、じゃない! あんたは、まだ子供なのよ! 東京なんて、危ないところ! 知らない人ばかりで、どうやって生きていくつもりなの! 母さんが、心配で心配で、眠れなくなるじゃない!」

和子の言葉は、健一の耳には、まるで檻の鉄格子のように響いた。彼もまた、母を愛していた。だが、このままここで、一生を終えるなんて考えられなかった。見慣れた景色、変わり映えのない日常。そこに、彼自身の未来を見出すことができなかった。

「母さん、僕はもう、子供じゃない。自分の人生を、自分で決めたいんだ。」

健一の声は、必死だった。母の愛に感謝している。でも、それだけでは、もう十分ではなかった。

「自分で決める? この母を一人にして、自分で決めるって言うの? あんたが、そんな勝手なことを許されると思ってるの?」

和子の瞳に、涙が滲んだ。その涙は、健一の罪悪感を、じわりじわりと、深く、深く、染み込ませていった。

「母さん…」

「いいわ。東京に行きたいなら、行けばいい。でも、そのためには、母さんの許しが必要よ。」

和子は、急に静かになった。その静けさが、健一には、かえって恐ろしかった。

「許し…?」

「そうよ。あんたが、母さんを一人にするなら、母さんも、あんたを一人にしない。あんたが、どこへ行こうと、母さんも、あんたと一緒に行くわ。」

和子の言葉に、健一は息を呑んだ。まさか、そんなことを言い出すとは、想像もしていなかった。

「母さん、それは…」

「いいのよ。母さんは、あんたが心配なの。だから、一緒に行く。それが、母さんには一番安心できる方法なのよ。」

和子は、まるで当然のように言った。その瞳には、一点の曇りもない。健一は、母の決意の固さを、肌で感じた。

結局、健一は、母の強い意志を曲げることができなかった。東京の大学への進学は、一旦保留。彼は、母と共に、東京へと旅立つことになった。

新幹線に乗り込むと、和子は、窓の外を流れる景色を、まるで子供のように目を輝かせて眺めていた。健一は、そんな母の横顔を見ながら、複雑な気持ちで、遠ざかる故郷を見つめていた。

東京の街は、想像以上に広かった。高層ビルが立ち並び、人々が忙しなく行き交う。健一は、この喧騒の中に、自分の居場所を見つけられるのだろうか。そして、母は、この新しい環境で、どうやって生きていくのだろうか。

二人は、都心から少し離れた、静かなアパートに住むことになった。和子は、驚くほど順応性があった。近所の人とすぐに打ち解け、商店街の八百屋のおばさんと世間話をするのが日課になった。毎朝、健一が家を出る時には、「いってらっしゃい。気をつけてね。」と、笑顔で送り出してくれた。

健一は、大学の課題に追われる日々を送っていた。新しい環境、新しい勉強。刺激的な毎日だったが、同時に、孤独も感じていた。実家で、母と二人きりで過ごしていた頃とは、全く違う。

「母さん、今日の夕食は何がいい?」

アパートに帰ると、和子がエプロン姿で迎えてくれた。

「あら、健一。おかえり。今日は、健一の好きな、生姜焼きにしようかしら。」

和子の料理は、いつも美味しかった。その温かい家庭の味が、健一の心を癒してくれた。

「母さん、ありがとう。」

「どういたしまして。健一が、元気でいてくれるのが、母さんの一番の幸せなんだから。」

和子の笑顔は、健一の罪悪感を、少しずつ、和らげていった。母を、無理やり東京に連れてきてしまった。そんな思いは、いつの間にか薄れていた。

ある日、健一は、大学のサークルで、新しい友達ができた。彼らは、皆、東京出身で、この街のことをよく知っていた。健一は、彼らと出かけるようになり、夜遅くに帰宅することも増えた。

「ただいま。」

「あら、健一。おかえりなさい。」

和子は、いつも健一の帰りを待っていてくれた。しかし、最近、その顔に、少しずつ、陰りが見え始めた。

「母さん、遅くなってごめん。」

「ううん。でも、もう遅いから、早く寝なさいね。」

和子の声は、以前よりも、少しだけ、力がないように聞こえた。

ある週末、健一は、サークルの仲間と、鎌倉へ旅行に行くことになった。

「母さん、来週の週末、友達と鎌倉に旅行に行くことになったんだ。」

健一は、そう切り出した。和子は、少しの間、黙っていた。

「鎌倉…いいわね。楽しんできて。」

和子は、そう言って、微笑んだ。しかし、その笑顔は、どこか寂しげだった。

旅行から帰ってきた健一は、アパートのドアを開けた。

「ただいま。」

返事はなかった。

「母さん?」

部屋の明かりはついていなかった。恐る恐る、リビングに入ると、和子は、ソファに座っていた。うつむいた顔は、見えなかった。

「母さん、どうしたの?」

健一が声をかけると、和子は、ゆっくりと顔を上げた。その顔は、やつれ、瞳には、深い悲しみが宿っていた。

「健一…」

和子の声は、かすれていた。

「母さん、大丈夫?」

健一は、慌てて和子のそばに駆け寄った。

「母さん、一人で、寂しかった…」

和子は、そう言って、健一に抱きついた。その体は、震えていた。

健一は、母の背中を、優しく撫でた。今まで、自分勝手に、母を振り回してきた。母の本当の気持ちを、理解しようとしていなかった。

「ごめん、母さん。ごめん。」

健一の目からも、涙が溢れた。

「母さん、もう、一人にさせない。ずっと、そばにいるから。」

健一は、和子を抱きしめながら、誓った。

その日以来、健一の生活は、少しずつ変わった。サークルの仲間との付き合いも、ほどほどに。できるだけ早く家に帰るようになった。母の顔を、いつも見るようにした。

和子も、また、以前のように、明るい笑顔を見せるようになった。健一が、自分を気遣ってくれているのが、嬉しかったのだ。

東京での生活は、まだ始まったばかりだった。健一は、この街で、自分の夢を追いかける。そして、和子も、この街で、健一と共に、新しい人生を歩んでいく。

離れたくても離れられない。そんな母と子の絆は、東京の喧騒の中で、より一層、深く、強く、結ばれていくのだった。健一は、母の温かい手に、そっと手を重ねた。その手は、もう、温もりだけではない。互いを支え合う、確かな強さを、帯びていた。

 

 

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