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## 禁断の実験室 – 勃起という名の反応

「今日の実験は、一風変わったものになるだろう」

研究室の白衣を纏った教授が、ニヤリと口元を歪めた。彼の名は、五十嵐。化学反応、特にその官能的な側面を研究するという、世間からは理解されにくい領域の専門家だ。彼の提唱する「超絶エロイ化学反応」は、恋愛感情や性的な興奮といった人間の根源的な欲求を、分子レベルで解き明かそうとする壮大な試みだった。

「我々の最新の実験対象は、君たちだ」

五十嵐教授が指差したのは、研究室の片隅に用意された、まるで高級ホテルのようなセットだった。そこには、ふかふかのソファと、間接照明が優しく照らすベッドが置かれている。そして、その隣には、一組の若いカップルが、困惑と期待が入り混じった表情で立っていた。

彼らの名は、拓也と美咲。大学で出会い、四年間の交際を経て、今では互いを深く愛し合っている。そんな二人に、五十嵐教授は破格の報酬と引き換えに、この「特殊な実験」への協力を依頼したのだ。

「君たちには、ある状況下で、互いへの感情がどのように化学的に変化するかを観察してもらう」

教授の言葉に、拓也は美咲の顔を伺った。美咲は、少し不安げな表情を浮かべながらも、拓也の隣で静かに頷いた。彼女は、拓也を心から愛しており、彼の支えになりたいと強く思っていた。

「ただし、この実験には、もう一人の被験者がいる」

教授がそう言うと、部屋のドアが開き、一人の女性が入ってきた。彼女の名は、沙織。艶やかな黒髪と、谷間を強調したタイトなワンピースに身を包んだ、妖艶な雰囲気を持つAV女優だった。

「沙織さん、よろしく頼む」

教授が沙織に声をかけると、沙織は妖艶な笑みを浮かべ、拓也と美咲に視線を向けた。

「あら、初めての体験には、ちょっとドキドキしちゃうわね」

沙織の言葉に、拓也の顔に赤みが差した。美咲は、沙織の挑発的な視線に、少し居心地の悪さを感じていた。

「さて、実験開始だ」

教授は、二組のカップルをそれぞれのソファに座らせた。拓也は沙織の隣に、美咲は一人で。

「拓也君、君には、目の前にいる美咲さん以外の女性に、決して勃起してはならないという、極めて困難なミッションを与えられている」

教授の言葉に、拓也は固唾を飲んだ。目の前には、妖艶な沙織がいる。彼女は、拓也の視線に気づくと、ゆっくりと足を組み替え、その仕草で拓也の意識を惹きつけた。

「美咲、君には、拓也君が沙織さんに誘惑されている状況で、拓也君をさらに誘惑してもらいたい。もちろん、君自身の愛情表現も、この実験の重要なデータとなる」

教授の言葉に、美咲は顔を上げた。彼女の瞳には、決意の色が宿っていた。

「拓也、あなた…大丈夫？」

美咲が心配そうに拓也に声をかける。拓也は、沙織から目を離せず、美咲の言葉に返事をすることができない。

「ふーん、随分と男らしいじゃない。でも、私だって負けてないわよ」

沙織は、拓也の耳元で囁き、その指先で彼の太ももを優しく撫でた。拓也の体は、一瞬にして熱くなった。

「拓也、私を見て」

美咲は、拓也の視線が沙織に釘付けになっていることに気づき、自身のワンピースの襟元を少し開けた。彼女の胸元が露わになり、拓也の視線が美咲に引き寄せられる。

「美咲…」

拓也は、美咲の誘惑に、抗うことができなくなっていた。沙織の挑発的な仕草と、美咲の切実な視線。二人の女性の間で、拓也の理性は崩壊寸前だった。

「拓也、私だけを見て」

美咲は、拓也の顔を両手で包み込み、その瞳をまっすぐに見つめた。彼女の瞳には、拓也への深い愛情が溢れていた。

「美咲…ごめん…」

拓也は、美咲の言葉に、ようやく沙織から目を離した。彼の瞳には、後悔と、美咲への罪悪感が入り混じっていた。

「拓也、あなたを信じてる」

美咲は、拓也の頬を優しく撫でた。その仕草に、拓也の心は救われた。

「教授、私の実験はこれで終わりです」

美咲は、沙織に視線を向け、静かに言った。沙織は、美咲の言葉に、少し驚いた表情を浮かべた。

「あら、もう終わり？ずいぶんと早いわね」

沙織は、挑発的な笑みを浮かべ、拓也に視線を向けた。

「拓也君、君は、この実験で何を学んだかな？」

教授の問いに、拓也は美咲の顔を見つめながら答えた。

「私は、本当の愛情の強さを学びました。どんな誘惑にも負けない、心の強さを」

拓也の言葉に、美咲は涙を流した。彼女は、拓也を心から愛していた。

「教授、私の研究もここまでです」

美咲がそう言うと、教授は満足げに頷いた。

「君たちの、この純粋な愛情こそが、私が追い求めていた『超絶エロイ化学反応』の真実だ。人間の感情は、時に、どんな強力な化学物質よりも、私たちを突き動かす力を持っている」

教授は、そう言って、二人のカップルに拍手を送った。

この実験は、単なる性的な好奇心を満たすためのものではなかった。それは、人間の感情、特に愛情の力を、科学的に証明しようとする、五十嵐教授の壮大な試みだった。そして、拓也と美咲は、その試みにおいて、予想外の、そして感動的な結末を迎えたのだ。

沙織は、二人の姿を見て、静かに研究室を後にした。彼女の心には、何かしらの感情が芽生えたのかもしれない。あるいは、ただ、目の当たりにした純粋な愛情に、心を動かされただけなのかもしれない。

「さて、次回の実験は、さらに興味深いものになるだろう」

五十嵐教授は、次の実験に思いを馳せていた。彼の研究は、まだ始まったばかりなのだ。そして、その研究室で繰り広げられる「超絶エロイ化学反応」は、これからも、私たちの予想を超える、衝撃的な展開を見せるだろう。