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「シエナ、今日の撮影、新しい子がいるって本当？」

メイクルームの鏡の前で、華やかなブロンドヘアを整えながら、シエナ・デイは隣でリップを塗っているジャスミン・ジェームズに尋ねた。ジャスミンの豊満な胸元を覆うドレスが、その存在感を一層際立たせている。

「そうみたいよ。ローラ・ローズって子と、ヘイゼル・ムーア。どっちも初お披露目だって。」

ジャスミンは、鮮やかな赤毛を指でなぞりながら、悪戯っぽく微笑んだ。彼女の巨乳は、いつだって注目を集める。

「へえ、新人か。どんな子たちなのかしら。」

シエナは、自分がこの世界に足を踏み入れてから、もう5年になることに思いを馳せた。夫は仕事が忙しく、家にいる時間はほとんどない。寂しさを紛らわせるように、彼女はこの非日常の世界に飛び込んだ。最初は戸惑いもあったが、今ではすっかりこの生活に馴染んでいる。

「まあ、見てのお楽しみってところね。でも、シエナ、あなたはもうベテランなんだから、新人たちをしっかりリードしてあげないと。」

ジャスミンは、シエナの肩を軽く叩いた。二人は、この世界では互いに支え合う数少ない存在だった。

「そうね。でも、私だっていつまでも新人だと思っていたい気分だけど。」

シエナは、鏡に映る自分を見つめた。40代半ば。それでも、この場所ではまだ若手の方だと自負している。日々、自分を磨き、輝きを失わないように努力している。

「あら、シエナったら。いつまでも若々しいわよ。でも、今日の相手は誰だったかしら？ 私、今日で3人目なのよ。」

ジャスミンは、今日の予定を思い出そうとするように、首を傾げた。

「確か…」

シエナは、今日のスケジュールのメモを広げた。

「ローラ・ローズさんと、ヘイゼル・ムーアさん。相手は…」

彼女は、相手の名前を見た瞬間、息を呑んだ。

「…マーク・アダムスさんよ。」

「あら、マーク！ 素敵ね。」

ジャスミンは、目を輝かせた。マーク・アダムス。この世界では、指折りの人気俳優だ。甘いマスクと、繊細な演技で、多くの女性を魅了している。

「そうね。でも、彼は今回が初めてじゃなかったわよね？」

「ええ。でも、ローラさんとヘイゼルさんは、彼と一緒でデビューだったんじゃないかしら？」

「そう、みたい。」

シエナは、少し緊張した。マーク・アダムスとは、何度か共演したことがある。彼の包容力と、相手をリスペクトする姿勢に、いつも心惹かれていた。

「まあ、とにかく、頑張りましょう！」

ジャスミンは、元気よく立ち上がった。

撮影スタジオは、いつもながら華やかな雰囲気に包まれていた。照明がピカピカと輝き、スタッフたちが忙しそうに行き交っている。

「シエナ、ジャスミン！」

プロデューサーの声が響き、二人は指定された場所へ向かった。

そこには、すでにマーク・アダムスが立っていた。そして、彼の隣には、二人の新しい顔があった。

一人は、ローラ・ローズ。まだあどけなさが残る、可愛らしい顔立ち。しかし、その瞳には、強い意志が宿っているように見えた。

もう一人は、ヘイゼル・ムーア。シエナとは対照的な、艶やかな黒髪。クールな雰囲気の中に、どこか危うさを感じさせる美しさがあった。

「シエナ、ジャスミン。お待たせしました。」

マーク・アダムスは、いつものように穏やかな笑顔で二人を迎えた。

「マークさん、ご無沙汰しております。」

シエナは、丁寧にお辞儀をした。

「シエナ、ジャスミン。この方々が、ローラさんとヘイゼルさんよ。」

プロデューサーが、二人の新人を紹介した。

「初めまして。ローラ・ローズです。よろしくお願いします。」

ローラは、少し緊張した面持ちで、しかししっかりと目を見て挨拶した。

「ヘイゼル・ムーアです。よろしくお願いします。」

ヘイゼルは、ローラよりも落ち着いた様子で、しかしどこか謎めいた微笑みを浮かべた。

「初めまして。シエナ・デイです。そして、こちらがジャスミン・ジェームズです。」

シエナは、二人に微笑みかけた。

「シエナさん、ジャスミンさん。お二人とは、何度かご一緒させていただいております。」

ローラは、シエナとジャスミンに尊敬の念を抱いているようだった。

「お二人こそ、これからが楽しみね。」

ジャスミンは、ローラとヘイゼルの顔をじっくりと見つめた。

「さあ、そろそろ撮影を始めましょう。」

プロデューサーの声で、現場の空気が一変した。

最初のシーンは、シエナとマーク、そしてローラが絡むものだった。マークのリードで、シエナは自然と役に入り込んでいく。ローラの初々しさが、そのシーンに新鮮な空気を持ち込んでいた。

「カット！」

監督の声がかかり、マークはシエナの肩に優しく手を置いた。

「大丈夫でしたか、シエナさん？」

「ええ、マークさんのおかげです。」

シエナは、マークの温かい手に、少しドキッとした。

次に、ジャスミンとマーク、そしてヘイゼルが組むシーンになった。ジャスミンの情熱的な演技と、ヘイゼルのクールな表情が、独特のケミストリーを生み出していた。

「カット！」

監督は、満足そうな表情で頷いた。

「素晴らしい！ ジャスミン、ヘイゼル、君たちの息もぴったりじゃないか。」

ジャスミンは、ヘイゼルにウィンクを送った。ヘイゼルは、それに軽く頷く。

撮影の合間、シエナはローラと話していた。

「ローラさんは、この世界に入るきっかけは何だったんですか？」

「…色々と、ありました。でも、一番は、自分自身を変えたかったんです。もっと、輝ける自分になりたくて。」

ローラの瞳は、静かに揺れていた。

「私も、そうだったわ。最初は、ただの逃避だったけど、今は、自分にとって大切な場所になりました。」

シエナは、ローラに微笑みかけた。

「シエナさん、ありがとうございます。なんだか、安心しました。」

ローラは、心を開いたように見えた。

一方、ジャスミンは、ヘイゼルと談笑していた。

「ヘイゼル、すごいわね。最初とは思えないくらい、堂々としてる。」

「ありがとうございます、ジャスミンさん。でも、ジャスミンさんのような先輩がいると、心強いです。」

ヘイゼルは、スラリとした手で、ジャスミンの髪を優しく撫でた。その仕草に、ジャスミンは、思わずドキッとした。

「ふふ、ありがとう。でも、私はまだまだよ。ヘイゼルこそ、これからが楽しみだわ。」

ジャスミンは、ヘイゼルの瞳を覗き込んだ。その瞳の奥に、彼女は何かを感じ取っていた。

昼食休憩。シエナは、一人で静かに食事をしていた。夫との会話は、もはや形式的なものになりつつあった。この場所で、彼女は本当の自分を解放できていると感じていた。

ふと、隣に座ってきた人物に気づいた。マーク・アダムスだった。

「シエナさん、お一人ですか？」

「ええ。マークさんこそ。」

「私も、一人です。よかったら、ご一緒しませんか？」

マークは、自然な笑顔で言った。シエナは、彼の誘いを素直に受け入れた。

「この世界に入って、もう5年になるんですよね？」

「ええ。あっという間でした。」

「シエナさんは、いつも輝いていますね。その輝きは、どこから来るんですか？」

マークの問いに、シエナは少し戸惑った。

「…それは、どうでしょう。でも、この場所で、私なりに精一杯生きているからかもしれません。」

「素晴らしい。私も、シエナさんのように、そうありたいものです。」

マークの言葉は、シエナの胸に温かく響いた。夫とは、もう何年も、こんな風に心を通わせるような会話をしていない。

一方、ジャスミンは、ヘイゼルと二人で、テラスで風に当たっていた。

「ヘイゼル、あなた、本当に新人なの？」

「ええ、本当です。でも、この世界に惹かれたのは、ずっと前からでした。」

ヘイゼルの声は、静かで、しかし不思議な魅力を放っていた。

「私は、この世界で、色々な人に出会ったわ。でも、ヘイゼル、あなたは、なんだか特別ね。」

ジャスミンは、ヘイゼルの頬に触れた。ヘイゼルの肌は、絹のように滑らかだった。

「ジャスミンさんこそ、太陽みたいに明るくて、素敵です。」

ヘイゼルは、ジャスミンの手を握った。その手は、細く、しかし力強かった。

「ありがとう。でも、あなたのようなクールな人が、私のことを褒めてくれるなんて、なんだか照れるわ。」

ジャスミンは、恥ずかしそうに顔を赤らめた。

午後の撮影は、さらに複雑なシーンが続いた。ローラは、マークとの共演で、徐々に自信をつけていった。ヘイゼルは、ジャスミンとの共演で、より大胆な表現を見せるようになった。

シエナは、マークとのシーンで、いつも以上に感情を込めて演じていた。夫のことなど、もう頭にない。ただ、目の前のマークと、役になりきっていた。

「カット！」

監督の声で、ハッと我に返った。マークは、シエナの頬に、そっと手を添えた。

「大丈夫ですか、シエナさん？」

「ええ。ありがとうございます、マークさん。」

シエナは、マークの温かい手に、もう一度、胸が高鳴るのを感じた。

撮影が終わり、皆で片付けをしていると、ローラがシエナに近づいてきた。

「シエナさん、今日の撮影、本当に楽しかったです。」

「私もよ、ローラ。」

「あの…シエナさん、もしよかったら、今度、二人でお茶でもしませんか？」

ローラは、少し照れくさそうに言った。

「ええ、もちろん！ 喜んで。」

シエナは、ローラの誘いを嬉しく思った。

ジャスミンは、ヘイゼルと別れ際に、秘密めいた微笑みを交わした。

「また、近いうちに。」

「はい。楽しみにしています。」

ヘイゼルの瞳が、ジャスミンの瞳と絡み合う。そこには、言葉にならない、特別な感情が芽生えているかのようだった。

この日、シエナ、ジャスミン、ローラ、ヘイゼルの4人は、それぞれの場所で、新しい関係性を築き始めていた。それは、表舞台では決して見せない、ピュアな婚外恋愛の始まりだった。夫との日常とは違う、満ち足りた時間。彼女たちは、この非日常の中で、自分自身の輝きを見つけ、そして、互いに惹かれ合っていく。華やかなシエナ、情熱的なジャスミン、そして、初々しくも芯のあるローラと、クールでミステリアスなヘイゼル。それぞれの物語が、ここから静かに、しかし力強く織りなされていく。