【無料エロ動画】Sweet Sickness スウィート・シックネス【アダルトAV】

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東京の雑踏を、凛は一人歩く。肩にかけた薄手のコートは、冷たい夜風に翻る。29歳になった彼女は、マンションの一室に弟の哲哉と二人暮らしをしていた。両親を亡くして以来、凛は哲哉を支え、哲哉は凛を慕い、まるで恋人同士のような、しかし血の繋がった兄妹の温かい生活を送っていた。

哲哉は24歳。大学を卒業後、デザインの仕事に就き、順調な日々を過ごしている。彼の目には、凛の存在が世界の中心に据えられていた。凛が淹れてくれるコーヒーの香り、凛が作ってくれる夕食の温かさ、凛の優しい笑顔。それは彼にとって、揺るぎない安心であり、当たり前の幸せだった。

そんな日常に、突然亀裂が入った。

凛は彼氏がいる、と告げたのだ。

「哲哉…　彼氏ができたの」

凛は、いつものように夕食の支度をしながら、まるで些細な出来事を話すように、そう言った。哲哉は箸を落とし、言葉を失った。彼は、凛に恋人などいるとは想像もしていなかった。凛は彼氏についてあまり詳しく語らなかった。年齢、職業、二人の関係性、何もかもが謎に包まれていた。ただ、一つだけはっきりと言ったことはあった。

「ずっと一緒にはいられないんだよ」

その言葉は、哲哉の胸に突き刺さった。凛が彼氏と別れる可能性もある、そんな淡い期待は、凛の表情から感じ取れなかった。凛の表情には、静かな決意と、どこか切ない悲しみが混ざり合っていた。

哲哉は現実を受け入れられなかった。今まで、凛は彼にとって全てだった。凛の笑顔、凛の温かさ、凛の存在が、彼の世界を彩っていた。その凛が、自分以外の誰かと人生を歩む。その事実が、彼の心を深く抉る痛みに変えた。

それから数日、哲哉は沈黙を貫いた。凛は、いつものように優しく彼に接するが、哲哉にはその優しささえ重く感じられた。以前のように、気軽に凛に触れること、冗談を言うこと、そんなことが出来なくなっていた。凛は、そんな哲哉の変化に気づいているようだった。しかし、何も言わず、ただ静かに見守っていた。

ある夜、哲哉は凛の部屋を訪れた。凛はベッドに寝転がり、本を読んでいた。哲哉は、凛の隣に座ると、ゆっくりと口を開いた。

「姉さん…　どうして？」

声は震えていた。

凛は本を閉じ、哲哉の方を見た。彼女の目は、涙で潤んでいた。

「…ごめんね、哲哉。突然で、驚かせちゃったね」

「驚いた…　それどころじゃないよ。姉さんは、誰かと…　結婚するつもりなの？」

凛は、静かに頷いた。

「彼は、私を幸せにしてくれる人だと思う。一緒にいたい、そう思ったの」

哲哉は、何も言えなかった。言葉にならない悲しみと、怒りが胸に込み上げてきた。彼は、凛に奪われたものを感じていた。それは、凛の愛情だけではない。二人で築き上げてきた、かけがえのない日常、そして、凛だけが与えてくれる、特別な安心感だった。

凛は哲哉の肩に手を置き、優しく抱きしめた。

「哲哉…　これからも、ずっと兄弟だよ。何も変わらない」

凛の言葉は、哲哉の心を少しだけ慰めた。しかし、彼の心には、大きな穴が開いたままだった。

それから、凛は彼氏と少しずつ同棲を始め、哲哉との距離は遠くなっていった。哲哉は、凛と彼氏の幸せを願いつつも、心のどこかで、彼らの幸せが自分の不幸に繋がるのではないかと、恐怖を感じていた。

ある日、哲哉は、凛の彼氏と初めて会った。穏やかで、優しい男性だった。彼氏は、哲哉にも優しく接し、凛と哲哉の絆を尊重しているようだった。しかし、その優しさは、哲哉にとって、さらに辛いものだった。凛が彼氏を愛していること、そして自分がその愛情を奪われたことを改めて思い知らされる出来事だった。

時間が過ぎ、哲哉は少しずつ、現実を受け入れ始めた。凛は、彼の傍にいてくれるだろう。それは変わらない。しかし、二人の関係は、もはや以前のようには戻らない。二人の間には、凛の彼氏という、越えられない壁ができていた。その壁を乗り越えることなど、哲哉には出来なかった。彼は、静かに、凛の幸せを願うことを決めた。

凛と哲哉。血の繋がった兄妹の、危うく、そして切ないラブストーリーは、静かに幕を閉じていった。  しかし、二人の心の奥深くには、消えることのない、温かい絆が、静かに息づいていた。