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## 熱砂の金曜

西日が刺す砂浜。透き通るエメラルドグリーンの海は、遠くまでどこまでも続いていた。妙子は、日差しを浴びてきらめく競泳水着姿で、ビーチパラソルの下でくつろいでいた。その姿は、まるでギリシャ神話の女神のようだった。しかし、その穏やかな表情の裏には、高揚感と、わずかな不安が隠されていた。

今日は、彼女にとって特別な日だった。恋人、海斗との約束の日。彼は、いつもと違うサプライズを用意すると予告していた。その言葉は、妙子の胸に、甘い期待と、予測できない興奮を呼び起こしていた。

海斗は、約束の時間に少し遅れて現れた。手に持っていたのは、小さな、しかし妙子には見慣れない黒い箱だった。箱には、精巧な彫刻が施され、重厚感のある金属製の蓋が閉まっていた。

「これ、何？」妙子は、好奇心と少しの戸惑いを込めて尋ねた。

「今日の、特別なプレゼントだよ」海斗は、少し緊張した表情で答えた。「君への、愛の証だ」

箱を開けると、中から現れたのは、洗練されたデザインのリモコンだった。その表面は、滑らかな黒曜石のように光沢があり、妙子は思わず息を呑んだ。しかし、その美しさとは裏腹に、妙子の心に不穏な影が忍び寄ってきた。

「…これ、何に使うの？」

「少し、説明が必要かな」海斗は、少し言葉を濁しながらも、リモコンの使用方法を丁寧に説明し始めた。それは、妙子が想像していたものとは全く違う、刺激的な機能を備えた、拘束リモコンだった。

最初は戸惑っていた妙子だったが、海斗の言葉と、彼からの熱い視線に、次第に心を開いていった。彼の愛情、そして、このリモコンが持つ未知の刺激への好奇心が、妙子の心を揺さぶっていた。

夕暮れが迫る中、二人は砂浜で、リモコンを使って、今までに体験したことのない官能的な時間を過ごした。最初はぎこちなかった動きも、次第に大胆になり、二人の体は互いに絡み合い、情熱的な波に飲み込まれていった。

リモコンは、妙子の体を自由に操り、様々な刺激を与えた。微細な震動、心地よい締め付け、そして予想外の電撃のような刺激。最初は抵抗もあったが、次第に妙子は、その快楽に身を任せ、体を委ねていった。

海斗は、妙子の反応を確かめながら、リモコンの機能を巧みに操った。時には優しく、時には大胆に。彼の繊細な手つきと、情熱的なキスが、妙子の五感を研ぎ澄ませていった。

砂浜に広がる夜空には、満月が輝いていた。その月明かりの下で、妙子は、これまで味わったことのない高揚感と、幸福感に満たされていた。

しかし、その喜びは、長くは続かなかった。夜が更け、海風が強まってきた頃、海斗は、妙子に小さな瓶を取り出した。中には、透明な粘性の液体が入っていた。

「これは…？」妙子は、不安を感じた。

「競泳水着ローションだよ。最後のサプライズだ」海斗は、少し悪戯っぽい笑みを浮かべながら言った。

妙子の不安は的中した。海斗は、そのローションを、妙子の競泳水着の上から、お尻に惜しみなくぶっかけ始めた。最初は驚いた妙子だったが、次第に、その感触に陶酔していった。

冷たいローションが、肌を滑り、新たな刺激を与えた。妙子は、抑えきれない快感に身を震わせた。

そして、夜が更けていくにつれて、二人の熱はますます高まっていった。砂浜は、二人の愛の証である、熱砂へと変わっていった。

朝、太陽が昇る頃、二人は砂浜に横たわっていた。妙子の体は、まだ熱を帯びていた。しかし、その熱さには、疲れではなく、幸福感だけが満ちていた。

「楽しかった…」妙子は、海斗の腕の中に身を寄せながら、静かに呟いた。

海斗は、妙子の髪を優しく撫でながら、微笑んだ。二人の間には、言葉以上の、深い愛情と、忘れられない一夜を過ごした証が、確かに存在していた。  金曜日の夜、熱砂の記憶は、二人の心に深く刻み込まれた。そして、それは、二人の愛の物語の、ほんの一ページに過ぎなかった。


この夜は、妙子にとって、忘れられない、特別な金曜日になった。そして、それは、彼女の人生において、新たな始まりを告げる日でもあった。  彼女と海斗の愛の物語は、この熱砂の金曜日に、新たな章を刻んだのだ。