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## 刹那の熱と、初めての海

梅雨明けの街は、茹だるような熱気に包まれていた。アスファルトから立ち昇る陽炎が、視界を歪ませる。そんな中、俺はいつものように、気怠げに街を彷徨っていた。退屈だ。刺激が足りない。何か、胸を焦がすような何かを求めていた。

「あ、いた」

雑踏の中に、ひときわ眩しい光を放つような女性を見つけた。華奢な体躯、色素の薄い髪、そして何よりも、その澄んだ瞳が、俺の心を鷲掴みにした。彼女は、少し戸惑った様子でキョロキョロと辺りを見回していた。まるで、この喧騒の中に迷い込んだ迷子のようだった。

考える隙を与えない。それが俺の流儀だ。彼女の不安そうな表情が、俺の衝動を掻き立てた。迷っている暇はない。今、この瞬間が全てだ。

「あの、すみません」

声をかけると、彼女はびくりと肩を震わせ、俺の方を振り向いた。その瞳に映る俺の姿は、きっと驚きと、ほんの少しの警戒心だっただろう。

「はい…？」

掠れた声で、彼女は答えた。その声にさえ、俺は心を奪われた。

「暑いね。こんな日は、涼しい場所で美味しいものでも食べに行かない？」

俺は迷わず、一方的に誘った。選択肢を与えない。断るという選択肢を奪う。それが俺のやり方だ。彼女の表情が、さらに戸惑いに彩られる。

「えっと…でも、私、初めてで…」

「初めて？何が？」

俺はさらに畳み掛ける。彼女の言葉の隙間を縫って、俺の言葉で埋めていく。

「あの…その、初めて会う人と…」

「ああ、なるほど。でも、こんな素敵な出会い、滅多にないよ？せっかくだから、思い出作りをしようよ」

俺は満面の笑みを浮かべ、彼女に手を差し出した。彼女は、一瞬躊躇したが、やがて小さな声で「…はい」と答えた。その瞬間、俺の胸に高揚感が駆け巡った。やった。今回も、俺の直感が正しかった。

彼女の名前は、ユキ。まだ二十歳になったばかりだという。街を歩けば多くの人に声をかけられるだろうに、なぜか彼女は人目を避け、どこか寂しげな表情を浮かべていた。話を聞けば、大学に入学したばかりで、まだこの街にも、そして自分の人生にも、全く慣れていないらしい。

「初めてなんだ、ほとんどのこと」

カフェで向かい合って座り、俺は彼女の目を見つめながら言った。彼女は少し顔を赤らめ、視線を落とした。その仕草さえ、俺には愛おしく思えた。

「そうなんだ。じゃあ、今日はいろんな『初めて』をプレゼントしてあげようかな」

俺は彼女の手に自分の手を重ねた。彼女の手は、驚くほど小さく、そして冷たかった。まるで、まだ温かさを知らない蕾のようだった。

「えっ…？」

ユキは驚いた顔で俺を見上げた。その瞳に宿る戸惑いが、俺の心をさらに揺さぶる。

「君は、まるでまだ何も知らない世界を知らない子供みたいだ。でも、君は美しい。そして、これからたくさんの美しいものに出会うべきだ」

俺は彼女の頬にそっと手を触れた。彼女の肌は、驚くほど滑らかだった。

「もっと、いろんな経験をしてほしい。特に、君みたいな綺麗な子は、その魅力を全て解放して、輝くべきだ」

俺の言葉は、彼女の心に直接響いたのだろうか。彼女の瞳に、微かな光が灯ったように見えた。

「私、なんていうか…男の人に、どう接していいのか分からないんです」

ユキは、小さな声で打ち明けた。その素直な告白に、俺はさらに心を掴まれた。

「大丈夫だよ。俺が教えてあげる。初めてだからって、何も恐れる必要はない。むしろ、初めてだからこそ、最高の体験をさせてあげられる」

俺は彼女の指先をそっと撫でた。彼女は、少し身を震わせた。

「ねえ、ユキ。君の知らない世界を見てみたいと思わない？今まで感じたことのないような、強い感情を」

俺は、彼女の耳元で囁いた。彼女の呼吸が速くなるのが分かった。

「でも、私…」

「大丈夫。君のペースでいいんだ。でも、俺は君に、まだ君が知らない君自身の魅力を教えてあげたい」

俺は、さらに強く彼女の手を握った。彼女の視線が、俺の瞳を真っ直ぐに見つめた。そこには、戸惑いと、そして微かな期待が混ざっていた。

その後、俺たちはユキのアパートへと向かった。初めて会ったその日に、ここまで発展したのは、自分でも驚くべき速さだった。だが、それもこれも、ユキの純粋さと、俺の直感がうまく噛み合った結果だろう。

部屋に入ると、ユキは緊張した面持ちで俺を見ていた。彼女の部屋は、驚くほど綺麗に片付けられていた。しかし、その中に置かれたぬいぐるみや、壁に貼られたポスターから、彼女の若々しさが垣間見えた。

「リラックスしていいんだよ」

俺はユキの肩に手を置き、優しく微笑んだ。彼女はこくりと頷き、俺の隣に座った。

「初めてなんですよね、色々と」

俺は、改めて問いかける。ユキは、俯いて小さな声で「はい」と答えた。その声には、少しの不安と、ほんの少しの好奇心が入り混じっているように聞こえた。

「大丈夫。君は、まだ何も知らないんだ。だから、俺が全部教えてあげる」

俺はユキの顔を両手で包み込み、ゆっくりと顔を近づけた。彼女の唇が、微かに開かれる。そして、俺たちの唇が触れ合った。

それは、優しく、そして熱いキスだった。ユキの体は、最初は硬かったが、次第に俺に身を委ねてきた。彼女の舌が、俺の舌に触れる。初めての感触に、俺の心臓が激しく高鳴った。

「…っ、ん…」

ユキの喘ぎ声が、部屋に響く。彼女の目からは、涙が溢れていた。それは、痛みなのか、喜びなのか、俺には分からなかった。しかし、俺は彼女の涙を拭うことなく、さらに彼女の唇を深く求め続けた。

俺たちの体は、ゆっくりと一つになっていった。彼女の肌は、驚くほど柔らかく、そして熱を帯びていた。俺の指先が、彼女の体の曲線を描く。彼女の体は、俺の触れる場所に敏感に反応し、微かに震えた。

「…っ、あ…」

ユキの吐息が、俺の耳元で甘く響く。彼女の体は、まるで初めて海に触れたかのように、俺の熱に身を任せていた。

「もっと、感じてごらん」

俺は彼女の耳元で囁き、腰を動かした。彼女の体は、俺の動きに合わせて揺れる。初めて感じる刺激に、彼女の体は激しく痙攣した。

「あぁ…っ、だ、ダメ…っ…！」

ユキの声が、部屋中に響き渡る。彼女の体が、大きく反る。俺は、彼女の背中に指を立て、彼女の体を抱きしめた。

「大丈夫だよ、ユキ。もっと、感じていいんだ」

俺は彼女の耳元で囁き、さらに深く、さらに強く、彼女の体を貫いた。ユキの体は、限界を超えたかのように、激しく震えた。そして、彼女の喘ぎ声が最高潮に達した。

「あぁぁぁぁぁっ！！！」

ユキの体から、熱いものが溢れ出した。彼女は、俺にしがみつき、俺の名前を叫んだ。初めての絶頂。それは、彼女にとって、そして俺にとっても、忘れられない瞬間だった。

俺は、ユキの体を抱きしめながら、彼女の温かい吐息を感じていた。彼女の体は、まだ微かに震えている。その瞳には、先程の戸惑いはなく、ただ純粋な喜びと、そして少しの驚きが宿っていた。

「…っ、私…」

ユキは、俺の胸に顔を埋め、小さな声で何かを言おうとした。

「大丈夫だよ、ユキ。これは、君の新しい始まりなんだ」

俺は、彼女の髪を優しく撫でた。初めての海に飛び込んだ彼女は、今、確かに変わった。そして、俺もまた、彼女の純粋な熱に、心を奪われていた。

この刹那の熱が、そしてこの初めての海が、ユキの人生にどのような波紋を広げるのか、俺には分からない。だが、少なくとも、この瞬間、彼女は今までにない輝きを放っていた。そして俺は、そんな彼女の輝きに、改めて魅了されていた。