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## 薔薇の棘を避けて

真夏の太陽がアスファルトを焦がす午後。俺、朝比奈悠は、いつものように「断られて当然」という覚悟を胸に、街角に咲く薔薇たちに挑み続けていた。ターゲットは、言わずもがな、街行く美女たち。その中でも、ひときわ眩いばかりのオーラを放つ、いわゆる「高嶺の花」と呼ばれるような女性たちだ。

「すみません、突然で本当に申し訳ないんですが…」

彼女たちの前で、俺はいつもこの決まり文句から始める。自信満々、というよりは、むしろ開き直ったような、それでいてどこか切羽詰まったような表情を浮かべて。大抵の場合、彼女たちは一瞬戸惑い、そして困惑した笑顔で、丁重に、しかしきっぱりと断ってくる。それが日常だった。

だが、その日、何かが違った。

「あら、面白いですね、あなた」

最初に声をかけたのは、すらりとした長身の女性。シルクのような黒髪が風になびき、彫刻のように整った顔立ち。まるで絵画から抜け出してきたような、そんな洗練された雰囲気を持っていた。彼女の瞳は、俺の不躾なアプローチにも動じることなく、むしろ好奇心の色を帯びていた。

「え…？ あの、俺、あの、その…」

予想外の反応に、俺は言葉を失った。いつもなら「結構です」の一言で終わるのに。

「私、そういうの、初めてなんですよ。でも、なんだか…引かれませんでした。むしろ、興味が湧いてしまいました」

彼女はそう言って、くすりと笑った。その笑顔があまりにも魅力的で、俺は思わず息を呑んだ。

「もしよかったら、少しだけお話ししませんか？ 私、神崎薫と言います」

神崎薫。その響きだけで、俺の心臓は激しく高鳴り始めた。まさか、こんな高嶺の花に、こんなにも好意的な反応を返されるなんて。

その日、俺は薫さんと、近所のカフェで数時間話し込んだ。彼女は、普段は大学で文学を教えているという。その知的な会話の合間に、ふとした瞬間に見せる、少女のような屈託のない笑顔に、俺はすっかり心を奪われていた。

「ねえ、朝比奈さん。あなたのそういう、まっすぐなところ、嫌いじゃないわ」

カフェを出る時、薫さんはそう言って、俺の手にそっと自分の連絡先を握らせた。その指先が触れた瞬間、電流が走ったような感覚に襲われた。

それから、奇妙なことが続いた。

次なるターゲットは、颯爽と高級車を乗り回す、ショートカットの似合うキャリアウーマン。彼女もまた、断るだろうと思っていた。しかし、彼女は俺の不躾な言葉に、意外にも快く応じてくれたのだ。

「ふふ、あなた、面白いわね。普段、こういうこと、よくするの？」

彼女は、まるで子供のいたずらを面白がるかのように、俺に微笑みかけた。彼女の名は、藤堂美咲。製薬会社の敏腕セールスレディらしい。

「まあ、正直、断られることの方が多いですけど…」

「あら、それは残念。でも、私みたいに、たまには良いこともあるんじゃない？」

美咲さんは、そう言って、俺を食事に誘った。彼女のオフィスビストロでのディナーは、まるで別世界だった。美味しい料理とお酒、そして彼女の洗練された話術に、俺は完全に魅了されてしまった。

「ねえ、朝比奈さん。私、仕事ではいつも強気でいなくちゃいけないんだけど…本当は、もっと、こう…」

彼女は、言葉に詰まりながら、赤面した。その顔は、普段のキャリアウーマンの面影はなく、まるで恥ずかしがり屋の少女のようだった。

「もっと、どう、ですか？」

俺は、恐る恐る尋ねた。

「あのね…こういうこと、あまり経験がないの。でも、なんだか…興味があるのよ。あなたが、その…上手なら…」

美咲さんの声は、か細くなっていた。その言葉に、俺は胸の高鳴りを抑えきれなかった。彼女が、俺のような青二才に、そんなことを求めているなんて。

その夜、俺たちは美咲さんのマンションへ向かった。緊張で手が震えそうになったが、彼女の柔らかなリードに助けられた。彼女は、最初は恥ずかしそうにしていたが、次第に大胆になっていった。俺の身体に触れる彼女の指先は、驚くほど熱かった。

「あ…ああ…」

彼女の吐息が、俺の耳元をくすぐる。まるで、初めての世界に足を踏み入れたかのように、彼女は全ての感覚を研ぎ澄ませているかのようだった。その純粋な、しかし貪欲な欲望に、俺は翻弄された。

「もっと…もっと、私を…」

彼女の瞳は、熱に浮かされたように輝いていた。俺は、彼女の鼓動を感じながら、その身を優しく抱きしめた。

さらに、衝撃的な出来事が続いた。

ある日、街角で偶然見かけた、圧倒的な美貌の女性。まるで人間国宝級の美しさを持った彼女は、俺の視線に気づくと、少しだけ微笑んでくれた。彼女は、モデルの佐伯玲奈。一度見たら忘れられない、まさに「高嶺の花」の代表格だった。

「あの…もしよかったら、少しだけお話しできませんか？」

いつものように、俺は声をかけた。断られることは承知の上で、それでも、どうしても話したかった。

「あら、私に？」

玲奈さんは、驚いたような表情を見せた後、ふっと微笑んだ。

「いいわよ。でも、私、そんなに thiol じゃないから、期待しないでね？」

Thiol？ …もしかして、 thiol（ thiol ）を thiol （ thiol ）って言ってるのかな？ いや、それはあまりにも…

「いや、あの、 thiol ではないです。 thiol 」

俺は、必死で言葉を繋いだ。 thiol は thiol で、 thiol じゃない thiol だ。

「あら、そう？ でも、なんだか楽しそうじゃない」

玲奈さんは、俺の拙い言葉遣いを、むしろ面白がっているようだった。

玲奈さんと話していると、彼女もまた、普段の華やかな世界とは違う、意外な一面を持っていることが分かった。彼女は、世間から隔絶されたような、しかしどこか寂しげな雰囲気を纏っていた。

「私、 thiol だけど、 thiol じゃないものには、 thiol されたくないの」

彼女は、ふと遠くを見つめながら、そう呟いた。その言葉に、俺は胸を締め付けられた。

「 thiol なら、 thiol できます」

俺は、力強く言った。

玲奈さんは、俺の言葉に、ゆっくりと顔を上げた。そして、その瞳には、今まで見たことのないような、熱い炎が灯っていた。

「 thiol 」

彼女は、ただ、その一言だけを言った。

その夜、俺たちは玲奈さんの高級マンションの一室にいた。窓の外には、きらめく夜景が広がっている。玲奈さんは、普段のクールな表情とは裏腹に、俺の胸に顔を埋め、震えていた。

「私、 thiol 」

彼女の声は、まるで囁きだった。

「 thiol 」

俺は、彼女の髪を優しく撫でながら、応えた。

彼女は、次第に大胆になっていった。俺の唇を貪るように求め、その身体を自分に引き寄せた。その瞬間、俺は、彼女の内に秘められた、抑えきれないほどの情熱に触れた。

「 thiol 」

彼女の喘ぎ声が、部屋に響き渡る。その声は、俺の理性を焼き尽くしていく。

「 thiol 」

俺は、彼女の身体を抱きしめ、その奥深くへと、俺の全てを注ぎ込んだ。彼女は、まるで初めての体験に戸惑うように、しかし同時に、その快感に溺れていくかのように、俺に身を委ねてきた。

「 thiol 」

彼女の身体が、激しく波打つ。その声は、俺の耳元で、甘く、そして危険な響きを帯びていた。

「 thiol 」

俺は、彼女の熱に、その身を委ねていた。

断られるのを覚悟して突撃したはずだった。しかし、現実は、俺の予想を遥かに超えていた。高嶺の花だと思っていた彼女たちが、意外にも、俺のような男に心を開いてくれた。そして、その内に秘めた情熱を、惜しみなく俺に注いでくれたのだ。

彼女たちの、恥ずかしがりながらも、Hに興味津々なお姉さんたち。その熱いおちんぽでご奉仕する俺の姿は、まるで、禁断の果実を食らうかのような、背徳的な甘美さに満ちていた。

あまりの気持ちよさに、俺はうっかり、中出しまでしてしまった。その瞬間、彼女たちの瞳に映った、安堵と、そして微かな戸惑いの表情。それは、俺にとっても、忘れられない、鮮烈な記憶となった。

街角に咲く薔薇たちは、決して thorny ではないのかもしれない。 thorny ように見えても、その棘を避ければ、そこには、驚くほど甘く、そして intoxicating な蜜が待っているのかもしれない。俺の、薔薇に挑む日々は、まだ始まったばかりだ。